アートで田んぼ

ここの田んぼに毎年通い始めて

かれこれ10数年になるかなぁ。

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はじめて訪れた時は、

道中、助手席でグースカ眠りこけていて

主人の「はい、着いたよ!」の声で

起きてすぐトイレを探していたら

カメラを抱えた集団の

叔父さま叔母さまに囲まれて、

いきなり「コレに着替えて」と

ウエディングドレスを渡されて、

強引に着てた服の上から着せられ

田んぼのいろんな場所で夫婦揃って

写真撮影ぜめにあったっけ。

(トイレがまんしたまま笑笑)

 

 

ここの田んぼは三豊ののどかな

山の中にある。

大きなため池もあって、竹林に囲まれた

なんでもない田んぼ。

しかし、田植え前のこの時期に

田んぼでクリエイティブな

アート活動をすることで

美味しいお米が収穫できる!

という発想!

田んぼでアート=肥料的な。

その発想から、この田んぼの地主の

河野さんは20年近く、

毎年この時期に

「アートで田んぼ」を開催している。

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田んぼの真ん中にピアノがあったり、

長ーい竹が田んぼにいっぱい

ぶっ刺さっていて

陽よけになるよう大きな布が

つけてあって、ユラユラ揺れて

いたり、カラフルな大きな絵が

田んぼに飾ってあったり、

奇想天外なアート作品が

緑いっぱいの山の中の田んぼに

そのときだけ現れるわけなのだ。

 

 

そして、何よりここは

ふるまい三昧なのだ。

うどん県ということもあり

手打ち(田んぼで手打ち麺を作っている人の)のふるまいうどん、

アートで田んぼで収穫されたお米の

おむすび、

作品を作った作家さんである

おっちゃんが揚げているドーナッツ

とか、田んぼに鉄板もあって

常に何かジュージュー焼いている笑笑

そして、食べさせてもらえる!

田んぼに冷蔵庫2台、

レンジもあったな、

そのときだけ運動会のときの

テントがたって雨でも大丈夫な

即席キッチンが

できるのだ。

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田んぼでは、子どもたちが泥んこに

なって遊んでいる。

そして、思いっきり遊んだあとは、

お風呂もある!

ため池では、エンジン付きのボートに

乗せてもらえて、ため池探検クルーズも

していた(初期の頃)

竹のイカダ(手こぎでご自由にどうぞ的なやつ、ちゃんと救命着も用意してて安全面もサポートしている笑笑)も。

 

 

田んぼの真ん中では、大音量で

ライブが繰り広げられている。

飛び入り参加okなので

女装した近所のおっちゃんの

カラオケとかもある!

噂を聞きつけたアーティスト達の

ライブもある!

一番すごかった年は

ヨーロッパツアーなどもこなしている「渋さ知らずオーケストラ」のライブ!

「渋さ」のライブの日は週間天気予報

でも100%雨予報!

かろうじて当日、お昼過ぎまでは

どうにか天気は持ちこたえたものの

前衛の集団アーティストたちの

楽器濡れたら困るやん!という声に

(ごもっとも!)

急きょ、「籾摺り小屋に移動!」となり

籾摺り小屋って小さな小屋?かと

思っていたら、めちゃくちゃでっかい

倉庫で、

河野さんが重機で籾摺り小屋の

大きな扉を壊してる!笑笑

発想がやっぱりすごい笑笑

で、「渋さ」の皆さんは巨大な

籾摺り小屋にて、楽器も濡れることなく

ライブができるけど、お客さんは?

河野さん、今度はまたしても

重機で籾摺り小屋の前の駐車スペースを

フラットにする!

言葉で伝わりにくいのが残念ですが、

もう、それは一人のおっちゃんの

パワーがハンパない!

 

 

で、巨大な籾摺り小屋では

河野さんが動かしていた重機の上に

白塗り舞踏のダンサーや

小屋2階部分にも他のパフォーマーたちが踊り、カッコいい演奏で

ずぶ濡れのお客さんたち(150人くらいはいただろうなぁ、あの場所に)

が急きょ、重機でフラットにした

ぬかるんだ場所で踊りまくるという

伝説のライブになったとさ。笑笑

 

 

河野さんの行動、発想、

大過ぎる!

で、やっぱり毎年、中毒のように

「アートで田んぼ」にやってくる

みんな。

この奇祭が終わると河野さんは

今年も田植えをする。

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河野さんは、知的なガキ大将がそのまま

おっちゃんになったような人。

そのガキ大将の友達たちも

ガキ大将を慕って、手伝っていて

この「アートで田んぼ」は

成り立っている。

これが20年近く続いていることに

やっぱり河野さんという人に

感謝したい。

また来年も、田んぼで逢いましょう。